御城番屋敷

御城番屋敷の生活


430年前、蒲生氏郷公によって開府された松坂城は、江戸時代に紀州徳川家の所管になり、御城番が置かれることになりました。田辺からやってきた城づとめの武士達の組屋敷や長屋が、現代まで残り維持されているというのは全国でも珍しいです。明治になり武士階級が離散するなかにあって、合資会社苗秀社をつくりここに住んできた自分達の生活環境と気概を守り維持してきた人達が今も生活している一方、一部は貸家として一般の方も時代を越えた生活をされています。

1戸あたり庭が表と裏にあり、正面5間、奥行5間、裏に幅1間の角屋が付く広さをもちます。右手に通り土間、左手に田の字型に8畳2間、6畳2間を配し、式台を構えるのが基本ですが、各個それぞれに少しずつ違いがあり異なった趣となります。
石畳の小道を挟んで東西に並んで建つ2棟の長屋は、現代のテラスハウスのようなつくりです。現在では建築時の20軒から、東棟10戸、西棟9戸が残っています。「松阪御城番屋敷」は「類例の少ない近世武士の長屋建築」として、平成16年に国の重要文化財に指定されました。
「御城番屋敷」のような「田の字型」の間取りは、襖や障子によって部屋と部屋が連続するため、必要に応じて空間を大きくしたり小さくしたりと自在に使いこなせます。これは、部屋と部屋が壁で区切られた個室中心の間取りの家ではできないことです。こうして部屋と部屋や、部屋と廊下を連続させると実際の面積よりも広々と感じられるというメリットもあります。
庭でゆっくり日向ぼっこや月見もいいですね。
御城番屋敷の周りの散策は、季節の草花や香りが楽しめ、歴史を感じることのできる最高にリフレッシュできるところです。